【少年と自転車】父親に捨てられた少年の心の葛藤に胸が痛くなる
シリルはもうすぐ12歳になる施設暮らしの少年。孤独からか周りの大人に対して反抗的な態度を取ってしまうようになっていた。そんなシリルのたった一つの願いは自分を捨てた父を見つけ出し、もう一度一緒に住むことだった。まだ幼いシリルは自分が捨てられたということを受け入れることが出来ず、どんなことがあっても父親を信じ、決して父親の悪口を口にしたりしなかった。既に父親の携帯電話は解約されており、どれだけ電話をしても決して繋がることはなかったのだった。どれだけ先生がその事実を伝えようともシリルは父親以外の大人を信用していなかった。ある日学校へ行くふりをし、施設を抜け出したシリル。以前住んでいた団地へと真っ直ぐ向かい、父親が住んで居るであろうアパートの呼び鈴を何度も鳴らした。しかし、どれだけ鳴らしても父親は出てこない。やがて呼び鈴の音に気付いた隣人が出てきて、そこに誰も住んでいないという事実をシリルに伝えた。ただ、その言葉を信じられないシリルは何度も何度も呼び鈴を鳴らし、隣人からは出ていくように言われる。
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